真々部の家
2019
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2019
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ご自宅にお招きいただき建て替えのご希望を伺った。
築後40年、現代建築史に見る“家長制度”を継ぐ立派なお住まいだと拝見した。うがった見方をすれば、既にある物を取り壊し、また建てるのだから建て替え計画は挑戦的だと思う。それでも技術革新や世帯の入れ替わりなど、様々な変化に対応しづらい状況でのご決断だった。
計画地はいわゆる非線引き区域で用途地域の指定がない。代わりに、市が独自に土地利用基本区域を定めており「田園居住区域」に該当する。田園環境に調和した集落コミュニティの継承を図り、無秩序な宅地の拡散を防止する区域である。
解体は既存の石垣やコンクリートブロック塀を撤去し、改めて敷地を道路に開いた。その向こうに広がる見慣れた田園が、エモくノスタルジーに感じていただける様に、開口部の開け方、しつらえ方に検討を重ねた。植栽と格子戸、サッシ、リネンカーテンの階層で、前面道路と室内の関係を調整して、心地よく暮せますように。
2階には階段ホールを兼ねる10帖程のスペース(セカンドリビング)をご用意した。一方で個室は4帖半に満たない小さな部屋を並べた。個室の上部には壁を設けず、勾配天井が連続して視線が延びる一体の空間とした。個室に足りない分がセカンドリビングにあふれ出し、家族の第二の居場所として弾力的に使われてゆく事を楽しみにしている。
基本設計で粘り強く検討を重ねた建て替え計画は、うまくいった!と実感している。毎度のことながら施主力に依るところが大きく、感謝と感動で胸いっぱいになる。結果的には8坪の減築となり、広くなった敷地の余白にこれから植栽をする。梅雨が明けた頃にまた伺いたいと思います^^
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