階段制作中

実を言うと本計画は、階段の位置が定まらずに下書きのまま諦めていた案に別のプランが重なって成立した経緯があります。直階段(まっすぐな階段)は2階の間取りに廊下が必要となる傾向があり、私はほとんど採用しません。また、リビングアクセス階段(居間に上り口のある階段)も居間の落ち着きを損なうので慎重になります。鍋田の家はリビングアクセスの直階段がうまくまとまった、ひと皮剥けた(僕が)取り組みでした。居間と階段を隔てる壁がおうちの拠り所として心地よい場所性をもたらすと思います。階段下をくぐった先にウォークインクローゼットと寝室のあるプライベートな部屋を配していて、この半孤立な感じも気に入っています。出来上がってしまえば何事もないようなしつらえですが、棟梁には見えない部分でかなり細かいお願いをしていて難儀させたと思います。設計中からとても思い入れのある階段です。2020.10.28

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